1.ロゴマークとは

ロゴマークは、会社や団体・個人を象徴するもので、会社などのイメージをわかりやすく表現し伝えるために使われます。
独自にデザインされたシンボルマークと社名のロゴタイプを合わせて構成されていることが多いです。
日本で古くから用いられてきた「家紋」も、身近なシンボルマークの一例です。

名刺や封筒には、主に会社のロゴマーク(コーポレートロゴ)が使用されます。
コーポレートロゴとは別に、商品やサービスのロゴマークを入れている場合もあります。
食品や化粧品、文房具や日用雑貨品など、会社名ロゴとは別に、商品ブランドごとにそれぞれ違うロゴが用意されていて、会社名より商品名のほうがよく知られているということも多くあります。
また、動物などのキャラクターをシンボルマークにしたキャラクターロゴもあります。
その動物の持つ「かわいい」「親しみやすい」「パワフル」などのイメージを、会社やサービスのイメージに活かしている事例です。

では、みなさんの会社のロゴマークは、どのように構成されているでしょうか?
「シンボルマークとロゴマークが両方ある」会社もあれば「シンボルマークは無いが社名の文字はデザインされたロゴタイプがある」「シンボルマークはあるが社名の文字は一般的なフォントを使っている」のいずれかではないかと思いますが、いずれの場合も、少し色や形が違うだけで印象が変わってしまいますよね。
みなさんが親しんでいるあのお店のロゴマークの色が「赤」ではなく「青」だったら、形が「正方形」ではなく「長方形」だったら、全く違うイメージになってしまいます。

ロゴマークはみなさんの会社を表現する大切なものです。
この機会に、みなさんの会社の名刺・封筒だけではなく、名刺交換した他社様の名刺や、郵送されて届いた封筒などをロゴマークに注目して見てみてはいかがでしょうか。
名刺や封筒のロゴマークを通じて、思いがけない発見があるかもしれません。

2.ロゴマークをきれいに印刷する3つのポイント

名刺や封筒に必ずといっていいほど記載されるロゴマークですが、シンボルマークとロゴタイプの大きさ(比率)が統一されていない、輪郭がぼやけたりギザギザしている、以前の色と少し異なった色で印刷されている、といったものを見かけることはありませんか?
みなさんの会社の名刺や封筒でもこのようなことがあり、気になっているが改善できない、というお悩みを持っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ロゴマークをきれいに印刷するポイントは以下の3つです。

① デザインデータを用意する

② デザインデータが用意できない場合は ロゴマークがきれいに印刷された紙媒体(印刷物)を用意する

③ 印刷物からトレースする


それぞれのポイントを見ていきましょう。

① デザインデータを用意する
ロゴマークは本来、ロゴマークを使用する(所有する)会社で管理されるべきものですが、制作時期や制作過程などの事情により、印刷会社やデザイン会社に保有管理されていることがあります。
そのため、例えば、名刺はA社、封筒はB社、領収書はC社などのように別々の印刷会社で作成する場合、ロゴマークのデザインデータが適切に共有されず、きれいに印刷再現できないといったことが起きてしまうのです。

デザインデータが用意できるという場合は、以下のいずれかを用意すると良いでしょう。
どちらもカラーモードは「CMYK」でないと、思い通りの色再現ができませんので気を付けましょう。

(A)使用したいロゴマークと同じ形の AIデータ を用意する
AIとは、Adobe社のグラフィックアプリケーション「Illustrator」で作成されたデータで、高品質な印刷物を作る際には、このデータ形式が標準の規格となっています。
ロゴマーク制作をおこなうグラフィックデザイナーはこのアプリを使っていますので、デザイナーから納品されたデザインデータであれば、まず問題はありません。
また、印刷物に使用することが前提の場合は、カラーモードも「CMYK」で設定されているため、イメージ通りの色で印刷されるので安心です。
ロゴの運用規約(ガイドライン)やロゴ一覧などがある場合は、デザインデータと一緒に印刷会社に提供することをおすすめします。

(B)使用するものと同じ形の EPS等画像(使用サイズより大きい、高解像度(350ppi〜)のもの) を用意する
(A)のAIデータが無いと言う場合も、EPS等の画像データがあればきれいな印刷が可能です。
この場合は、実際に使用するサイズよりも大きいサイズで、高解像度(350ppi~)のものであること、カラーモードが「CMYK」であることが必要になります。
画像を用意する際は、縦横に伸び縮みしていないか、斜めに変形していないかも確認するようにしましょう。
画像のファイル形式としては、JPEGやPNGなどもよく知られていますが、これらはパソコンやスマートフォンなどで表示させるためのデータ形式のためカラーモードは「RGB」となっています。
RGBモードのデータは、紙に印刷すると違う色味で再現されてしまいますので注意してください。

データが用意できる場合でも、Office系ソフトに画像を貼った(画像挿入した)ものでは、きれいな再現はできません。
元の画像データを提供するようにしましょう。

② デザインデータが用意できない場合は ロゴマークがきれいに印刷された紙媒体(印刷物)を用意する
デザインデータを用意できない場合は、他の印刷物からスキャンして使用することも可能です。
ただ、印刷会社で使用する高性能スキャナーを使用しても完全な再現ができない場合があります。
以下のような場合は、きれいに再現できません。

・実際の使用サイズより データやスキャン用の印刷物のサイズが小さい
・データやスキャン用の印刷物が粗い(輪郭がぼやけたりギザギザしている 細かい部分がつぶれている)
・スキャンする印刷物に折り目や汚れがある、クリップなどによりキズがある、ロゴマーク以外の背景色や模様がある
・スキャンする印刷物が、浮き出し(エンボス)や金箔押しなどで、色や形が正確に読み取れない

みなさんがスマートフォンなどで撮影した写真を拡大表示するとぼやけて見えることはありませんか?
同様に、スキャンした印刷物を拡大すると、輪郭などがギザギザしてしまい、きれいに印刷再現ができなくなるのです。
逆に、大きなサイズのものを縮小するのであればギザギザは目立たず、きれいに印刷できるということになります。

ただし、極端に縮小することになると、ロゴマークの輪郭や空間が潰れてしまうことがあるので注意しましょう。
例えば、名刺に入れる10mm四方サイズに対して、A4用紙いっぱいのサイズのものでは、きれいに再現できない可能性があります。

スキャン用の印刷物は、白い用紙に印刷されたものを用意します。
印刷物からロゴマークをスキャンする際は、みなさんのお手元でするのではなく、印刷会社の高性能スキャナーで読み取ってもらうことをおすすめします。

紙媒体(印刷物)からロゴマークをスキャンして使用する場合は、「背景が白い用紙」「実際の使用サイズより大きい」「折り目や汚れがついていない」ことがきれいな再現の条件になるといえるでしょう。

③ 印刷物からトレースする
デザインデータも、きれいな状態の印刷物もない、という場合は、印刷物からトレースする方法があります。
トレースでは、印刷物等の輪郭をきれいになぞることで元の形を再現します。
元の状態が良いものであれば自動トレースも可能ですが、一般的には制作担当者の手作業となることが多く、手間と技術を要します。
ただ、トレースをしてデータ化しておけば、さまざまなサイズの印刷物に使用できますので、手元にデザインデータが無いという場合は、名刺や封筒の印刷発注先にトレースを依頼することも検討してみましょう。

3.ロゴマークの「色」豆知識

「1.ロゴマークとは」でお伝えしたように、ロゴマークは会社を表現するとても大切なものです。
ここでは会社のロゴマークによく使用される「色」についてお伝えします。

総務課ラボを運営する7office株式会社では、WEBで発注管理できる名刺印刷サービス「7card(セブンカード)」を全国の法人向けに提供しており、毎日たくさんの会社のロゴマークに接しています。

会社のロゴマークで使用される色として代表的なものは「青」「赤」「緑」です。
「青」は、信頼や誠実を感じさせる色として多くの会社のロゴマークに採用されています。
「赤」は、力強さや人のあたたかさを表現する色として、「緑」は自然や環境をイメージさせる色として、さまざまな会社のロゴマークに使用されています。

業種によっても選ばれる色は違います。
「オレンジ」「ピンク」「茶色」「紫」「グレー」などもロゴマークとして目にする機会が多い色です。
これらの色を複数組み合わせている場合もあります。

みなさんの会社のロゴマークの色は何色ですか?
ロゴマークの色はみなさんの会社のイメージそのものですので、名刺や封筒などを印刷する際には色の再現にもぜひ気配りをしてみてください。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか?
ここまでロゴマークをきれいに印刷するポイントをお伝えしてきました。

ロゴマークは、その色も形もみなさんの会社を表現する大切なものです。
印刷物のスペースに制限がある場合も、本来の形を変形させたり斜めに傾けたり、横配置の文字を縦配置にするなどの改変をすることのないよう、気をつけたいですね。

総務課ラボを運営する7office株式会社では、WEBで発注管理できる名刺印刷サービス「7card(セブンカード)」を全国の法人様向けに提供しています。
名刺や封筒に入れているロゴマークの再現にお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。