私達の日常には様々な情報が存在し、視覚は印象に大きな影響を与えます。 視覚から得た情報の中でも、色は、人の感情をも左右させる力があり、名刺作成においても、色の心理効果をうまく利用する事で、相手に与える印象も大きく変わるでしょう。 今回は、「色の特徴と心理的効果」、「名刺の配色を考える上での3つの要素」の2項目に 章を分け、それぞれを分かりやすく解説いたします。 この記事を参考に、総務の名刺担当者様も名刺作成時の色の選び方を知っていただき、 自社ビジネスに有効活用してもらえればと思います。
1. 色のイメージと心理的効果 皆さんの会社の「名刺用紙」は、何色を使っていますか? 大多数の企業では、名刺には白い台紙を採用していることと思いますが、ブランディングの一環として的確なコンセプトを印象付ける目的で、カラー用紙を使用する場合があります。あるいは用紙色以外でも、ロゴ、フォントの色による業種の印象づけや、相手への心理的効果で、ビジネス上で良い影響を与える事もできます。 心理学で人の感情を喚起させる12の基本色から、各色のイメージと心理的効果を見ていきましょう。 【赤色】 「情熱、活力、興奮、高揚」などの ダイナミックなイメージを与えます。 強く印象に残る効果があるため、赤色を企業ロゴに使用する率が高いと考えられています。 【ピンク】 「可愛い、幸福、愛情、優しさ」のように、女性や赤ちゃんをイメージさせる色です。 【オレンジ】 「喜び、陽気、明るい、暖かい」などの印象から、温かみや楽しい雰囲気を与える事ができるでしょう。 【黄色】 「愉快、元気、軽快、無邪気」躍動感を与えたり、注目させる効果もあります。 【黄緑】 「成長、エコ、若さ」新緑を表した色で、未熟ながら成長を想起させてくれます。 【 緑 】 「安らぎ、癒し、若々しい、健康」リラックスできる効果や緑が持つ自然のイメージから、安心・安全を想起させてくれます。 【 青 】 「知的、信頼感、誠実、爽快感」冷静で落ち着きがあり、かつ知的な印象を与える色のため、誠実さや真面目さを想起させてくれます。 【 紫 】 「神秘、優雅、妖艶、高貴」高貴、神秘を連想させる紫は、上品で特別感を印象づける色として効果的です。 一方で、不安な印象を持たせる色でもあります。 【 白 】 「純粋、清潔、正義、神聖」何色にも染まっていない白色は、正義感や清潔感、純粋といったクリーンなイメージを想起させてくれます。 【グレー】 「慎重、大人、真面目、調和」控え目な色合いから、自己主張しない印象を与えます。 【 黒 】 「高級感、重厚感、威厳」威厳や重厚感を与えるとともに、失望を想起させるイメージもあるため、使い方のボリュームには十分な注意が必要でしょう。 一方、上手に使うことで、高級感の漂う印象を与えることができます。 【茶】 「親しみ、落ち着き、温もり、自然、堅実」 保守的な印象を与える効果があります。 また緑と並び、樹木や土・大地といった自然を感じさせる茶色は、 温もりやアットホームな安心感を演出できるでしょう。
2. 名刺の配色を考える上での3つの要素 名刺をデザインする際、最も重要視されるのは、配色バランスです。 好みの色を、好きな配分・配置、とするだけでは、相手の印象に残る、効果的な名刺は作れません。 色彩心理学に基づく配色ルールというものがありますので、それに沿って決めていくと良いかと思います。 その基本とは、名刺に使うテーマカラーを、3色に分けて考えるところから始まります。 順を追ってご紹介しましょう。 ■テーマカラー3色について 【ベースカラー(基調色)】 名刺の中で全体の70%を占める、最も面積が大きい色。 下記の2つの色を引き立てる背景に用いることが多く、一般的に白またはライトグレーなどの明度の高い濁色が使われることが多いです。 背景を濃い色にするのは、文字が読みにくくなってしまう恐れがあり、特別な拘りが ある場合以外は避けた方がよいでしょう。 アソートカラーやアクセントカラーを目立たせる、サブ的な役割と考えていただければ、イメージしやすいかと思います。 【アソートカラー(配合色)】 デザインを印象付ける主役カラーで、全体の25%程度を占める。 テーマカラーの中で一番強調したい部分に使用される色で、一般的にロゴマークやキャッチフレーズなどの、ブランドイメージを表す色がこれに合致します。 【アクセントカラー(強調色)】 最も目立つ色を用い、全体のポイントを決めるカラーで、全体の5%程度と少量しか使わない。 刺激や変化を加えるためには、このアクセントカラーが有効です。 アソートカラーの反対色を使えば、より鮮明さが際立ち、目につきやすくなります。 ■ 配色を決める順番と使用色のポイント 1:アソートカラー 2:ベースカラー 3:アクセントカラー の順番になります。 アソートカラーは、前述のようにロゴマークやキャッチフレーズ等のブランドイメージを表す色になりますので、企業として、顧客や取引相手にどんな印象を持ってほしいか、が重要なポイントになります。 次にベースカラーを決めます。 アソートカラーを際立たせることを重視して考えていきましょう。 アソートカラーやアクセントカラーの主張を妨害しない、白・アイボリー・グレーなどの無彩色がオススメです。 モノクロ以外にしたい場合、背景色として文字の読みやすさ・ロゴ関係や写真画像の見やすさ等の視認性を考慮し、薄い色を使用するとバランスがとりやすいでしょう。 最後にアクセントカラーを決めます。 名刺の記載項目の中で見落としてほしくない、特別注視させたい箇所に使うことにより、 使用範囲は狭いですが、とても大切な役割を担います。 アソートカラーとベースカラーのみでは単調になりやすいため、全体にメリハリをつけることを意識しましょう。 より際立たせたい場合は、アソートカラーの反対色を使うと良いでしょう。
3. まとめ いかがでしたでしょうか? 今回は、名刺作成で知っておきたい、配色を考える上での3つのポイントをご紹介しました。 色遣いという物に注目することで、名刺をビジネスに活かすのに大いに役立つ事と思います。 また今回の記事から、普段目にする様々な場所や物に、どのような色が使われているのか、関心を持って見てみると、新しい発見があるかも知れません。 「総務課ラボ」では、名刺の発注管理のご相談を承っております。 名刺発注の効率化やコスト削減をお考えのご担当者様はお気軽にお問い合わせください。