1. お礼状の書き方 総務課の業務の一つとして、贈答品の手配があります。 みなさんもお中元やお歳暮の時期になると、品選びから配送手配、持参の場合の購入手配など、準備に忙しいことでしょう。 苦心して選んだお中元やお歳暮に対し、送り先様から感謝の気持ちが伝えられると嬉しいものです。 みなさんの会社に届くお中元やお歳暮も、送り主の会社の総務スタッフが心を込めて選んでくれたのではないでしょうか。 特にお歳暮シーズンは、年末業務が立て込む時期です。 日々の業務に追われ、いただいたお中元やお歳暮へのお礼が遅れてしまうことの無いようにしたいものですね。 ・お礼状を出すタイミングは? お礼状はお中元やお歳暮が届いたらすぐに出しましょう。 まずは感謝の気持ちを伝えることが大切ですので、お中元やお歳暮などの贈答品が届いたら、遅くも3日以内にはお礼状を送るのが良いでしょう。 品物が無事に届いたことを知らせるためにも、早めにお礼状を送ることが大切です。 とはいえ、テレワーク中などで、すぐにお礼状が出せないこともあるかもしれません。 その場合はお詫びの文を付け加えて、なるべく早くお礼状を出すようにしてください。 特にお歳暮については、12月にいただくことになるため、「お礼が遅れてしまったから、年賀状に一筆お礼文を添えればいいかな?」と考えてしまうかもしれませんが、年賀状の「ついで」という考え方は失礼になりますので、あくまで「お歳暮に対するお礼状」は別のものとして用意するようにしましょう。 すぐにお礼状が出せるように、みなさんの会社で使う文面やひな型をあらかじめ作成しておくと安心ですね。 ・お礼状は封書?はがき?メールでもいいの? 贈答品などをいただいた場合のお礼状は「縦書きの封書」が最も丁寧な形式です。 このことから会社への頂き物のお礼状は封書で送るのが望ましいといえますが、親しくお付き合いしている取引先には、はがきでお礼状を出しても失礼ではありません。 また、ペーパーレス推進の観点から、ビジネスシーンにおいては、メールでお礼文を送る場合もあります。 メールでのお礼の良さは、贈答品が届いたらすぐに感謝の気持ちを伝えられる点にあります。 封書にするか、はがきにするか、それともメールにするかは、会社の方針にそって適切に判断しましょう。 ・お礼状の宛先は?差出人はどうするの? お礼状の宛先は、送り主の表記に合わせるようにします。 例えば、送り主が「そうむ株式会社 代表取締役 総務一郎」となっていれば、お礼状の宛先は「そうむ株式会社 代表取締役 総務一郎様」とします。 送り主が会社名(例:そうむ株式会社)だけの場合は、お礼状の宛先も「そうむ株式会社 御中」としておけば良いでしょう。 万一、先方の代表者変更などを把握していない場合、前代表者名のままお礼状を送るのはたいへん失礼にあたります。 日頃から取引先の人事情報にも目を向けておくよう心掛けておきたいですね。 お中元やお歳暮は会社への贈り物ですので、お礼状の差出人は、みなさんの会社の代表者の名前を記載するのが一般的です。 差出人表記例:株式会社らぼ 代表取締役 田中太郎 贈答品の届け先が営業部や人事部など特定の部署宛の場合は、営業部長や人事部長の名前でお礼状を出すこともあります。 届いた方からお礼状を送る、という形式にそって適切な差出人名でお礼状を用意しましょう。
2. お礼状の構成 お礼状は、基本的な構成にそって書いていけば良く、難しいものではありません。 お礼状の構成は、ビジネスシーンだけでなくプライベートでも活用できますので、ぜひ参考になさってください。 ①頭語 頭語は手紙の最初に書く言葉です。相手に対する敬意を表しています。 拝啓、拝呈などがありますが、ビジネスシーンにおいて、よりあらたまった先に送る場合は「謹啓」とすると安心です。 ただ、「謹啓」では堅苦しく感じる、日頃から親しくお付き合いがあるということであれば、一般にも広く用いられる「拝啓」としておくと良いでしょう。 頭語は手紙の締めくくりに使う結語とセットになるので注意してください。 頭語を「謹啓」にした場合は「謹白」「謹言」、「拝啓」にした場合は「敬具」で結びます。 ②時候の挨拶 頭語の後には、時候の挨拶を書きます。 みなさんも「春暖の候」「向寒の候」などと書かれたものをご覧になったことがあることでしょう。 これは、日常会話の中で使う「暖かくなってきましたね」「最近は冷え込むようになりました」などと同じく、季節を表す挨拶の言葉です。 時候の挨拶に続いて安否を尋ねる挨拶を添えることで文章のまとまりが良くなります。 安否を尋ねる表現としては「貴社ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」「皆様方におかれましてはご清祥のことと拝察申し上げます」などの書き方があります。 ③お礼の言葉 次に、いただいたお中元やお歳暮のお礼を書きます。 お礼状のメインとなる部分ですので丁寧な表現を心掛け、品物のお礼とともに、お付き合いに対する感謝の言葉も忘れずに書いておきましょう。 送り主との関係によっては「社員一同たいへん喜んでおります」などの表現を加えると、お互いの顔が浮かび、今後の関係維持にも役立つのではないでしょうか。 ④先方を気遣う言葉 お中元の時期は夏の暑さが増し、また、お歳暮の時期は、寒さが厳しくなってくる頃です。 年末年始に向けて業務も慌ただしくなる時期ですので、先方を気遣うひとことを添えると良いでしょう。 ⑤結語 最後は、「謹白」「敬具」などといった結語で締めくくります。 ①の「頭語」でお伝えしたように、頭語と結語はセットになっているので、適切な言葉を選ぶようにしてください。 結語は、本文が縦書きなら左下に、横書きなら右端に寄せて配置しましょう。
3. ビジネスシーンで使えるお礼状の文例 ここでは、お中元やお歳暮のお礼状の文例をご紹介します。 ①封書やはがきで出す場合 お礼文の基本的な構成は同じですが、はがきは記載内容を誰でも見ることができてしまうため、第三者が見ても差支えのない内容で書くように気をつけましょう。 また、本来なら、お礼状は手書きで心を込めて書くものですが、ビジネスシーンにおいては、文書作成ソフトなどを使用して作成したものでも問題ありません。 その場合は、封筒やはがきに貼る切手を記念切手にするなどして、季節感や心配りをお伝えするのもおすすめです。 文例では、お礼状の差出人を「株式会社らぼ」、送り先を「そうむ株式会社」として記載しています。 みなさんがお礼状を書く際の参考になさってください。 ・お中元 文例① 拝啓 盛夏の候、貴社におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。 さて、このたびは結構なお品を頂戴しまして誠にありがとうございました。 いつもながらのお心遣いに社員共々深く感謝申し上げます。 酷暑の続く折柄、皆様におかれましてはどうぞご自愛くださいませ。 略儀ながら、書中をもちまして御礼申し上げます。 敬具 令和◎年◎月◎日 株式会社らぼ 代表取締役 田中太郎 そうむ株式会社 代表取締役 総務一郎 様 ・お中元 文例② (お返しの品を送る場合) 謹啓 盛夏の候、貴社益々ご清栄のことと拝察申し上げます。 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、このたびは、結構なお中元のお品を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。 このようなお心遣いを賜り恐縮に存じます。 別便にて心ばかりの品をお送りいたしましたので、ご笑納ください。 今後も変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願いいたします。 暑さ厳しき折から、皆様のご健勝ならびに貴社益々のご発展をお祈り申し上げます。 謹白 令和◎年◎月◎日 株式会社らぼ 代表取締役 田中太郎 そうむ株式会社 代表取締役 総務一郎 様 ・お歳暮 文例① 拝啓 師走の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 さて、このたびは結構なお歳暮を頂戴しまして誠にありがとうございました。 このようなお心遣いをいただき、社員共々心より御礼申し上げます。 お礼のご連絡がたいへん遅れましたこと、衷心よりお詫び申し上げます。 寒さも厳しくなって参りましたので、皆様におかれましてはどうぞご自愛ください。 略儀ながら、書中をもちまして御礼申し上げます。 敬具 令和◎年◎月◎日 株式会社らぼ 代表取締役 田中太郎 そうむ株式会社 代表取締役 総務一郎 様 ・お歳暮 文例② (お返しの品を送る場合) 謹啓 師走の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、このたびは、結構なお歳暮のお品を頂戴いたし、心より御礼申し上げます。 弊社の方こそお世話になっておりますのに、このようなお心遣いを賜りたいへん恐縮に存じます。 別便にて心ばかりの品をお送りいたしましたので、ご笑納くださいませ。 今後も変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願いいたしますと共に、 寒さ厳しき折、皆様のご健勝ならびに貴社益々のご発展をお祈り申し上げます。 謹白 令和◎年◎月◎日 株式会社らぼ 代表取締役 田中太郎 そうむ株式会社 代表取締役 総務一郎 様 ②メールでのお礼状を出す場合 親しい取引先にすぐにお礼を伝えたい場合に、メールで出すお礼状の文例をご紹介します。 メールの件名は、お中元やお歳暮のお礼であることが一目でわかるようにしておきましょう。 封書やはがきは表書きから誰に宛てたお礼状かが分かりますが、メールでは誰に宛てたものかを本文で伝えることになるため、メールの場合は宛先を本文の初めに記載します。 ・メールでのお礼状 文例① 件名:御歳暮ありがたく頂戴いたしました 本文: 令和◎◎年◎◎月◎◎日 そうむ株式会社 代表取締役 総務一郎 様 拝啓 師走の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、このたびは結構なお品を頂戴いたしましてありがとうございました。 このようなお心遣いをいただき誠に恐縮に存じます。 寒さに向かう時期をなりますので、皆様にはどうぞご自愛くださいませ。 略儀ながら書中をもちまして御礼かたがたご挨拶申し上げます。 敬具 株式会社らぼ 代表取締役 田中太郎
4. まとめ いかがでしたでしょうか? ここまで会社に届く贈答品として代表的なお中元やお歳暮について、お礼状の送り方や書き方と文例をご紹介しました。 総務のみなさんの大切な業務のひとつであるお中元やお歳暮の対応にお役立ていただければ幸いです。 また、総務課ラボでは、名刺発注をはじめとする総務関連の業務の効率化などのお手伝いをしております。 名刺などの消耗品発注をご担当されていらっしゃる方で、コストや業務改善に課題を感じていらっしゃる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。