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  • 企業の災害対策のためのBCPとは?策定のポイントを徹底解説!

1. 日本は災害大国

まず、災害とは何かをおさらいしましょう。
「災害対策基本法」では、災害を次のように定義しています。
「災害、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象または大規模な火事もしくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう」。

上記のように災害には、自然災害だけでなく、管理ミスなどによって起こる人為災害や、病原体などが原因の特殊災害も含まれます。
特に日本は自然災害の多い国と言われ、そのリスク地域は全国に広がっており、国土の約30%が何らかの災害リスク地域となっています。
また、 災害リスクに曝される人口は全体の67.5%(2015年)であり、災害リスク地域に人口が偏っていることも示されています。
このように、私たちは日々、災害のリスクと向き合いつつ事業や生活の継続をしていかなければなりません。

2. 企業における防災とは

企業防災という言葉をご存知でしょうか。
企業防災とは、企業が災害に備えて取り組むべきことの総称で、主には「防災」と「事業継続」に分かれています。
防災では、自然災害や伝染病などに対して人命や自社の財産を守ることを目的とし、その被害を最小限にする施策を行います。
一方、事業継続では事業を停止させる可能性のある全ての要因に対し、非常時においても事業を継続させられる施策を実行していきます。
では、なぜ企業防災が必要なのでしょうか。

3. なぜ、企業防災が必要?

日本では、労働契約法第5条において「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」という一文で、企業に「従業員の安全を守る責任」を課しています。
したがって、もし経営者側が安全配慮義務を怠った場合、従業員側からの損害賠償請求が発生する可能性もあります。

さらに企業には、人命の安全に配慮した活動を行いつつも取引先や顧客に経済的損失を与えないような責任も生じます。
例えば、2011年の東日本大震災では、東日本を拠点とする多くの企業が甚大な被害を受け、事業の復旧・継続が困難となりました。
企業の事業継続が困難になると、多くの企業間取引が停止することになり、結果的に被災地だけでなく日本全体のサプライチェーンに打撃を与え経済の悪化を招いてしまいます。
このような観点からも、企業防災を行うことは、ひとつの企業だけのものでなく、企業を取りまく関係全てにおいて機能していく意義があるといえます。
 

4. BCPとは?

貴社では、事業継続計画(以下、BCP)はバッチリと策定済でしょうか?
BCPとは、Business Continuity Plan の略で、緊急時における事業継続・復旧の方法や、平常に取り組むべき対策をまとめた「事業継続計画」策定をいいます。
では、緊急事態とはどんな状態なのでしょうか。
きっと、すぐに思いつくのは自然災害だと思います。ここでいう緊急事態とは、自然災害の他に感染症の蔓延・テロ攻撃などの外的要因や、個人情報流出などの内的要因も含みます。
なぜならBCPの目的は「事業を継続させること」であるため、外的・内的要因を問わず、事業を停止させる可能性のある全ての事態が対象となります。
また、BCPは事業を継続させるために、自社の拠点はもちろん、場合によってはサプライチェーン先や他社と共同で策定することもあります。

そして、BCPで注視されるのは「初動の早さと正確さ」です。
それらがしっかりと機能することで、出来る限りの減災につながり、従業員や顧客の安全を確保し、業績低迷への影響や関係各所に与える負の影響も抑えられます。
ゆえに、災害大国日本で事業を展開する私たはBCP策定が重要となっています。
もし貴社で既にBCPを策定している場合でも、常にその見直しが必要です。
「内閣府」の防災情報ページ (http://www.bousai.go.jp/)を定期的に参照していただき、常にBCPを磨いておきましょう。

では、BCPではどのような事柄を策定していけば良いのでしょうか。

5. BCP策定のポイント

BCPのポイントとしては、以下の通りです。
 • 従業員や顧客の安否を迅速に確認できる体制が整える。
 • 緊急時における、意思決定の流れやルールを整える。
 • 緊急時における、取引先や関係各所の状況確認手段を整えるとともに、自社の事業が継続出来るよう材料・部品などの代替仕入れ先のルートも整える。
• 自社の業務に必要なシステムやサーバーのバックアップ、主要拠点が機能不全に陥った場合を想定した、サテライトオフィスの準備を整える。

上記で示したように、まず何よりも重要となるのが、従業員や顧客、取引先などビジネスに関係する全ての人々の安全確保です。
昨今では、スマートフォンで完結する安否確認ツールも多数あります。
そのようなツールを利用すれば迅速に安否確認や被災した場所の特定、出勤可否も把握することができますのでおススメです。
また、災害が起きた際に出来る限りの減災を実現すべく、社内や関係者間での訓練や研修が大切です。

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例えば地震でいえば、シェイクアウト訓練(https://www.shakeout.jp/why.shtml)などを行いつつ社内にポスターを掲示するなどして啓蒙することも良いでしょう。
お近くの市町村HPを覗けば、避難訓練の放送を行う日程があったりもします。
それらを十分に活用して、日ごろから災害への反応の速さと質を高めていきましょう。
できれば訓練は毎回同じシチュエーションではなく、けが人が発生した場合や、社内のメンバーを見渡した時に起こるであろう事態を想定し、多様な方法で行うことがポイントです。

次に重要となるのが、災害発生時の二次被害防止を意識した行動です。
地震発生時の火災や津波、台風発生時の土砂崩れや停電など、災害には多くの場合、二次災害が発生します。
また、地震による地割れや液化現象、断水や停電などライフラインの遮断、渋滞や雪での通行止めなどによるエコノミー症候群なども二次災害と考えられ、BCPでは災害の直接原因だけでなく二次災害で起こりうる場合を想定して対策を講じておく必要があります。

例えば、会社の近くに河川や海がある場合には地域のハザードマップを確認しておき、避難場所やその経路、避難のタイミングなどを示したマニュアルを策定しておきましょう。
また、古い建物が近くにある場合などは、倒壊のおそれを考慮しておく必要があります。
「特定の場所から離れること」といった災害時の行動をBCPで示すとともに、二次災害も想定した避難訓練も行っていきましょう。

6. 防災備蓄品、知っていますか?

BCPにおける重要な項目として、防災備蓄品があります。
何を、どこに、どれだけ備蓄しておくか。
そして、それをどのように使用するのかを策定し、従業員に浸透させていく必要があります。
せっかく揃えた防災用品も、緊急時にすぐに持ち出して使用することができなければ意味がありません。
BCPでは、定期的に防災備蓄品の保管場所や使用方法を確認することも策定しておきましょう。

では、実際に防災備蓄品は何をどのくらい準備しておけば良いのでしょうか。
例えば東京都は、「帰宅困難者対策条例」として災害時に従業員が帰宅できなくなったときの対策を定めており、従業員1人あたり3日分として「水9リットル」「食料9食」、および「毛布1枚」の備蓄を求めています。
また、自治体が指定する備蓄品の他に、次のような物も準備しておくことが必要です。
これらの備蓄品を会社用や個人用で分け、すぐに取り出して使える状態にしておきましょう。

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災害備蓄品の例
非常持出袋、ヘルメット、マスク、アルコール消毒液、救急セット、生理用品、懐中電灯、乾電池、軍手、担架、工具一式、携帯トイレ、ラジオ、台車、発電機、ライター、モバイルバッテリーなど。

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こちらもご参考にしていただきつつ、お悩みの点はお気軽にご相談ください。
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7. 【こぼれ話】防災と減災の違い

防災とは、地震や水害といった自然災害を未然に防ぐ、または災害による被害を防ぐための備えを意味します。
災害による被害をできるだけ「ゼロ」に近づけるため、あらかじめ想定した被害に対するさまざまな取り組みを行ないます。
また、防災は「被災からの復旧まで」を定義するとされています[注1]。

一方で減災とは、「災害、または災害による被害は生じるもの」という考えを前提とし、その被害を最小限に抑えるために備える事前対策です。
阪神淡路大震災や東日本大震災のような、私たちの想定を超えた大災害が発生した場合には、備えていた防災が機能しなかったという経験や、それらの自然災害を完全に予測することも現代では難しいことから、これまでの防災意識や取り組みの問題点を補うため、より合理的で現実的な「減災」という考え方が重要視されるようになりました。
それを示すかのように、内閣府の防災情報ページでは「みんなで減災」というキャッチフレーズが大きく掲げられています。

[注1]電子政府の総合窓口 e-Gov:災害対策基本法 第二条二項

8. まとめ

いかがでしたでしょうか。
本コラムのタイトルは「BCPの策定、バッチリですか⁉」としていますが、今日の日本企業ではBCPの策定率が18%程度といわれています。
特に中小企業においては、資金調達や策定のノウハウ、時間や人不足などの理由で策定率が低くなる傾向があるようです。
しかしながら、冒頭でもご紹介した通り、私たちの住む日本では災害と隣り合わせであり、近くは南海トラフ地震の発生や地球温暖化によるゲリラ豪雨の頻発も危惧されています。
それゆえ、コロナ対策で非常に大変な時節ではありますが、未だBCPの策定をされていない企業の皆さまは、これを機にぜひBCPの策定へと、もうひと踏ん張りしていただければ幸いです。
策定に際しては、自社だけの視点ではなく周辺地域や関係各所との連携を強めておきつつ、自助・共助の精神で防災や減災に努めていきましょう!


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